生きづらさの理由と愛着スタイル

生きづらさの理由と愛着スタイル 心理学

こんばんは。

今日は愛着スタイルがテーマです。

愛着というのは、幼少期に近くにいる大人(たいていは親)と密接な関係を築くことでゲットできる、安定した対人関係をつくる力のことです。

この愛着は上手くつくれないことがあって(愛着障がい)、それが大人になっても人間関係がうまくつくれないというようなかたちで残ってしまうことがあるのではないかということが言われるようになっています。

この愛着障がいのタイプは色々あるようですが、心理学などの論文では、「安定型」「とらわれ型」「恐れ型」「拒絶型」に分かれています。訳語は色々あるようですが。(2003 中尾・加藤)

これは2つの軸で分けることができて、1つは「自分にポジティブ・ネガティブ」、もう1つは「他者にポジティブ・ネガティブ」です。

自分にポジティブな人は、見捨てられ不安が低く、他者に依存したりしません。逆にネガティブな人は見捨てられ不安が高く、それゆえ他者に依存する傾向があります。まあ、簡単に言うと「相手にびくびくするかしないか」「気疲れするかどうか」ですね。

他者にポジティブな人は、他者と密接に関わることへの抵抗がありません。ネガティブな人は抵抗が強いため、他者との関係づくりを避けようとします。こちらは簡単に言ってしまえば、「どんどん仲良くなるか、近いと嫌になるか」です。

まとめると以下のようになります。

自分に他者に
安定型ポジティブポジティブ
拒絶型ポジティブネガティブ
とらわれ型ネガティブポジティブ
恐れ型ネガティブネガティブ

安定型は愛着という面では特に問題が無い人で、大学生への調査をした論文ではおおよそ4割ぐらいが安定型で最多です。(2020 竹端・後和)※安定型だから問題がないとは限りません

拒絶型は自分にポジティブなので主張などははっきりしますし、迎合したりはしませんが、他者との親密な関係を軽視・拒否するタイプです。

とらわれ型は他者との関係づくりには積極的ですが、見捨てられ不安が高いため、相手に嫌われないようにとにかく合わせていこうとするタイプです。(不安型とも)

恐れ型は見捨てられ不安が高いので他者との関係づくりを望みますが、他者との関係づくりにも不安があり、拒否してしまうため、「愛されたいけど、怖いので逃げる」というような矛盾した行動や葛藤を抱えるタイプです。

ちなみに私は恐れ型によく当てはまります。

はた目から見ると、意味不明な行動をとっていると思いますが、これでも一生懸命だったりします。

で、愛着スタイルの形成には親との関係が最も影響はしますが、こういうのは自己分析のツールとして見るべきだと私は思います。

例えば、「私は○○型だから、△△して」と押し付けてしまったりとか、「親のせいだ!」と怒るとかは、してはいけないというわけでもないですが外には出さない方が賢明だと思います。

というのは、どうしようもないからです。

相手にそれを求めると、今度は相手が生きづらくなってしまいますし、配慮できるような相手ならまだしも、主張が強い人だと関係が壊れてしまう可能性もあります。

こういうのは、「生きづらい」理由を知るというのが目的なのであって、それをもとにどうするかはゆっくり考えれば良いと思います。カウンセリングに行くという手もあるでしょうし、こういう特性が活かせる環境に移動するという手段もあります。

私が隠とん生活だ!みたいなことを言うのは、自分が「恐れ型」で、なるべく自分の特性やタイプを活かせる環境に行くことを目指したいからです。

良い環境にいて、精神的に安定すると、愛着スタイルによるゆがみが出づらくなるとも思います。結局こういうのは「嫌なこと」への反応として出てくるので、「嫌なこと」が減れば、そんなに問題にならないのです。

自分の生きづらさってどこに理由があるんだろうと知りたい方は、こういうのをヒントにしてみてはどうでしょうか。

ここまで読んでくださりありがとうございました。

また、読みに来てくださいね。

<参考論文>

・大学生の愛着スタイルと自己意識および他者意識との関連性(竹端佑介、後和美朝)
(学校保健研究 61;2020;331-339)

・成人愛着スタイル尺度間にはどのような関連があるのだろうか? : 4カテゴリー(強制選択式,多項目式)と3カテゴリー(多項目式)との対応性(中尾達馬、加藤和生)
(九州大学心理学研究. 4, pp.57-66, 2003-03-31.)

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