マスク(不織布マスク)はどのようにして感染予防になるのだろうか?
まず、不織布マスクは繊維が入り組んだ不織布からできている。この不織布は静電気を持つため、ウイルスや細菌は静電気によって不織布にキャッチされる。
これにより、ウイルスや細菌は数が減る。
とはいえ、網目自体はウイルスより大きいので、通り抜けがゼロになるわけではない。
こう考えると、マスクには意味がないようにも思えるが、必ずしもそうではない。
通り抜けたウイルス等はたいてい鼻や喉の粘膜にくっつき、そこで増殖を始める。
そうすると異物を発見した免疫システムが発動し、ウイルス等の排除に乗り出す。
あとはウイルス等の増殖速度と排除速度の競争になる。これに負けると何らかの症状が出る「感染」になる。
例えば、ノーマスクでとあるウイルスAを100個吸い込んだとする。1世代の間にこのウイルスは100倍ずつ増えるとする。
一方、免疫システムは1世代の間に5000のウイルスを排除する能力を持つとする。
(これらの値はあてずっぽうである。実際はもっと複雑なはずだ)
1世代目 100×100-5000=5000
2世代目 5000×100-5000=45000
この場合、ウイルス増殖速度に免疫システムが負けてしまっており、ウイルスがどんどん増殖する。そのため、感染が成立する。
次にマスクをしたことで、最初の吸い込み量が10になったとする。
1世代目 10×100-5000=-4000
値がマイナス、つまりウイルスは消滅した。これは感染が成立しなかったことを意味する。
このように、通り抜けが発生するにしても、吸い込み量を減らすことで結果的に感染を阻止することができる。
仮に感染が成立したとしても、ノーマスクと比べると最初の吸い込み量が少ないことから、トータルの増殖量が遅いため、その間により強力な免疫システムが発動し(発熱など)、早く治ったり、重症化を防ぐことにつながる。
これがマスクが感染予防につながるメカニズムである。